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μ(Mju)-U
所有するカメラのうち最も稼働率が高いのは単焦点の銀鉛コンパクトカメラである(2004年度統計)。しかしリコーのGR1やGR21、ミノルタTC-1などの「高級」コンパクトカメラは既に軒並み生産が中止されてしまった。京セラに至ってはカメラ事業から撤退である(2005年)。

μ-Uは「高級」コンパクトカメラではない。希望小売価格ではTC-1の1/4の値段であり、ボディもプラスチック。しかし周知のように、これは侮れないカメラである。
2005年の年頭にNeopan Super PRESTO 1600を200本購入し、本年も銀鉛モノクロプリントに勤しむことを誓った。しかしコンパクトカメラのシャッタースピードというものは最速1/250秒、速くても1/500秒である。日中に無限遠で撮る状況など、感度1600を使うと1/250秒では露出オーバーになる確率が高い。減感現像をしたりプリント時に調整できなくはないが、やはりシャッタースピードに余裕があるに越したことはない。
そこでμ-Uが輝いてくる。最速1/1000秒。
シャッターだけではない。小さく軽いこと、そして生活防水なので雨の日のスナップに最適である。思うに雨の日というのはスナップ日和ではないだろうか。

35mm F2.8の4群4枚レンズは、なんというか、実に中庸の写り具合で好ましい。ただし無限遠でやや甘い感じがする。無限遠固定モードがあったならと惜しまれるが、μシリーズはあくまで簡便な操作を目指しているのだろう。

ボディデザインは初代μのほうに軍配を上げたい。二代目になって明らかに女性をターゲットにしたデザインになった。これは個人的には最も購入に躊躇した部分である。
初代と同様、レンズカバーをスライドさせるとすぐに臨戦態勢に入ることができる。しかしカバーを閉めると撮影モードがデフォルトに戻ってしまうのがとても不便だ。フラッシュOFFモードで使いたい場面が多いからである。これも女性をターゲットにした操作の簡便化の結果なのだろうか。しかしながらこのカメラを買っているのは、実はほとんどがカメラに熟知した男性ではないかと思うのだか。

そういえばこのカメラも、かつて森山大道が使っていたはず。
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(2005.7.21追加)
このカメラはピントが良くないという噂がある。たしかに何枚かピントが中抜けのものがあった。
その原因としては、先ずAEのプログラムラインが高速に寄っていることがある。開放F値2.8を生かしなるべく絞りを開けた状態で撮る設定であり、1/1000秒という高速シャッターもそのために備えられたのだろうが、感度の低いフィルムを使うと絞り開放で撮る場面が多くなり被写界深度が稼げず、結果としてピントが甘いカットが増えるのだろう。
十文字の測距エリアの設定に問題があるという話もある。詳しいことは知らないが、ファインダーの中心に被写体をもって来ても必ずしもそこにピントが合わない構造らしい。これを回避するにはスポット・モードで撮ることだ。このモードの存在を知らない人がいるかもしれないが、背面の二つのボタンを同時に押すことでこのモードに設定できる。これでピントを外す場面は確実に減るだろう。
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